年末調整を行わなければならない理由について
月々に源泉徴収された税額は、税額表の仕組みなどにより必ずしも年税 額とは一致しないため、その精算手段として 「年末調整」 という手続が必要とな ります。所得税は、もともと 1年間の所得をもとにして課税されますが、給与の支払者がその支払の つど徴収 して納付する所得税は、 1年 間 に納付すべき 所得税の一部を概算で納付する税額です。
ところで、毎月 、給与等についての源泉徴収税額を計算する「源泉徴収税額表 は、例えば、その給与等が月額で支払われる場合には、 1年間を通じて毎 月 同額 の給与等が支払われるという前提のもとに作られており、年の中途で給与等の支 払額に異動があったような場合には、毎月源泉徴収した税額の年間合計額と年税 額(課税給与所得金額につき「年末調整のための所得税額の速算表 J により求めた税額 をいいます。)との聞には、当然、差異が生じてきます。
また、控除対象配偶者とか扶養親族等に該当するかどうかは 、毎月の給与等源泉徴収では便宜 上その月の給与等を支払う時の現況によっていますが 、所得税 法上は 、原則 として、毎年 12月 31日の現況によることになっていますので 、年の 中途でこれらに該当す る人の数が増加したり減少したりすれば、その控除額に増 減が生じ、年税額の精算手段として年末調整を行う必要があるわけです。